【初心者向け】現役不動産営業マンが「不動産登記簿謄本」の見方やチェックポイントを解説します。

みなさんこんばんは。

『やっちん』(@yacchin_0310)です。

みなさんは、「不動産登記簿謄本」をご覧になられた事ありますか?

不動産の「どのような不動産なのか?」「様々な権利関係」の内容が記載されている書類であり、正式名称は【登記事項証明書】と言います。

不動産の取引では必ず内容を確認する書類で、主に次のような事が確認できます。

  • どのぐらいの規模の不動産か?
  • いつ建てられたか?
  • 所有者は誰か?
  • どのような原因で所有権が移転したか
  • 差し押さえされていないか?
  • 抵当権等、所有権以外の権利が無いか?

不動産営業マンは仕事上、ほぼ毎日様々な不動産の「登記簿謄本」を目にしますが、不動産関連に従事していない方にも「不動産登記簿謄本」の見方が分かれば、不動産購入時・売却時に役に立つ事があります。

不動産を購入される方
  • 所有者が当初借入されている金額が分かり、購入時、最低幾らで購入したか予測ができる
  • 購入後、トラブルになるような権利関係が無いか
  • 土地・建物の大きさが、登記記録と実際とで相違が無いか
不動産を売却される方
  • 住宅ローンの抵当権以外に抹消しないといけない権利関係があるか
  • 複雑な相続が原因で不動産を取得した場合、現在所有しているのは誰か
  • 親の代の時に増築したが、増築した登記をしているかどうか

不動産登記簿謄本は一般公開されており、最寄りの法務局などで誰でも取得可能です

「親が所有している不動産の登記内容を確認しておこう」

「隣地の駐車場、誰が所有者かな?」

「あの土地ずっと空き地のままだな~」

「あの家、去年に引越ししてから、誰も住んでいないようだぞ・・・」

と、気になる不動産があればご自身で取得することも可能です。

目次

まずは実際の「不動産登記簿謄本」を見ていきましょう。

引用元:法務省

上記登記簿謄本は土地の謄本となります。

項目を大きく分けて4つあり、その内容は

■表題部

表題部は、不動産の基本的な情報が記載されている欄です。

不動産を特定するための「所在」、大きさを表す「面積」、土地の「地目」、建物であれば「構造」「建築年月日」などが記載されています。

■権利部(甲区)

過去の所有者や、現在の所有者が記載されている部分です。

所有権移転の原因(売買・相続・贈与など)や移転年月日

住宅ローンが滞った際は、「差押」もこの欄に記載されます。

■権利部(乙区)

所有権以外の権利が記載されており、住宅ローンなど金融機関からお金を借りると「抵当権」「根抵当権」が記載されます。

その他にも、他人が自分の土地を利用する際に設定される「地役権」などもあります。

※例 土地上空に電力会社の電線が通っている等

■共同担保目録

ひとつの債権(ローンなど)の担保として、複数の不動産に対して設定された抵当権を一括して記載した登記事項。

例)土地とその上の建物や土地に接道している私道の共有部分を「共同担保」として抵当権設定をする

例)債権額(ローンの金額など)を確保する為にその不動産だけではなく、他のエリアで不動産を所有しているのであれば、その不動産を「共同担保」とする場合もある

表題部

※土地の表題部

土地の表題部での確認事項は、主に3つ

①所在

住居表示と異なる場合が多く、住居表示で登記簿謄本の取得申請を行うと取得できないので、法務局備え付けの「ブルーマップ」(※地図に「地番」が記載されているもの)で「地番」を確認する必要があります。

昔は、「地番」「住居表示」でしたが、昭和37年に「住居表示に関する法律」が制定され、一般的に使用されている「〇〇市〇〇町〇丁目〇〇番〇〇号」という住居表示にかわりました。

住居表示は変わっても、法務局に登録されている「地番」はそのままの為、1つの不動産に対して「地番」「住居表示」の番号がそれぞれ異なります。

各自治体でのホームページなどでも「地番」が検索できるケースもあるので、まずは地方自治体のホームページで調べてみましょう。

②地目

一般的に住宅が建っている土地の「地目」「宅地」になっている場合が多いですが、稀に「山林」など「宅地」では無い場合があります。

そのままでも問題はありませんが、売却の際、次の買主が住宅ローンを使用する場合、その金融機関の融資条件として、「宅地」ではない地目を「宅地」に変更することを条件とする場合もあります。

その場合「地目変更登記」が必要です。

③地積

土地の大きさを表している項目です。

昔に広大な土地を分筆して結果残地として300㎡となっているケースは、

その当時の測量技術で順次分筆していき、結果残りの土地を「残地」として登記されている場合があります。

最新の技術で測量をすると面積に誤差が出て、登記簿に記載されている広さと同じではない場合があり、

分筆された時期が古かったり、法務局に地積測量図の備え付けが無いとなると、改めて土地家屋調査士に依頼し「測量」を行ったほうが正確な面積が判明し、建物を建築する際にトラブルにならないでしょう。

登記簿では300㎡でも、測量すると290㎡しかない。

という可能性があります。

【筆者の勤めている会社でのクレーム発生例】
✔登記簿での面積は150㎡
✔昔に分筆された土地で、法務局に地積測量図が無い
✔担当者は公簿取引として、土地家屋調査士に測量を依頼してなかった
✔担当者によるテープでの計測も行っていない
✔買主が依頼するハウスメーカーが測量を行うと、140㎡
✔10㎡分の売買代金減額要求と、仲介手数料減額要求

このようなトラブルに発展する場合もありますので、確認が必要です。

権利部(甲区)

権利部の甲区では、所有権に関する事項が記載されており、今現在誰が所有者かを調べる事ができます。

初心者の方で、注目してほしいポイントは「原因」の欄です。

ここには、所有権が移転した「原因」が記載されており、主に次のようなものがあります。

  • 売買
  • 贈与
  • 相続
  • 遺贈
  • 財産分与 など

その他「時効取得」「代物弁済」などありますが、多くは上記5つになります。

不動産を購入される方は、購入検討している物件の謄本を見ていただき、所有権の移転原因をご覧いただく事で、その不動産の所有者の移り変わりが確認できます。

「原因が「〇〇」だから価格交渉がしやすい。」というわけではありませんが、所有権の移転の移り変わりを把握し、疑問に思う事があれば不動産会社の担当者に問い合わせてみましょう

権利部(乙区)

権利部の乙区では、所有権以外の権利に関する事項が記載されており、

  • 抵当権設定(根抵当権設定)
  • 地上権設定
  • 地役権設定 など

抵当権設定(根抵当権設定)は、住宅ローンなど金融機関からお金を借りる際に設定される権利なので、初心者の方でもご存じの方もおられるかと思いますが、ご注意いただきたいのが、「地上権」「地役権」です。

『地上権』

地上権とは、住宅や橋、トンネル、井戸などの建築物などを所有するために、他人の土地を使う権利のこと。地上権の契約を結ぶことで設定される。定期的な地代の支払いは法律上の義務はないが、地上権設定者と地上権者との間で地代が定められた場合は、地上権者は地代を支払う義務が生じる。

地上権者は、自らその土地を使用できるほか、他人に地上権を譲渡したり、土地を賃貸することができる。また、地上権に抵当権を設定する場合、地上権設定者への承諾は不要。地上権の登記を行っていれば、地主から土地を購入、相続した第三者等に地上権を主張できる。

なお、建物の所有を目的とする地上権と賃借権のことを「借地権」といい、借地権については借地借家法で規定されている。

引用元:SUUMO(スーモ)住宅用語大辞典

『地役権』

地役権とは、一定の目的の範囲内で、他人の土地(承役地)を自分の土地(要役地)のために利用する物権のことをいいます(民法第280条)。

地役権の設定は、例えば、公道と自分の土地の間にある他人の土地(私道)を通行したり、用水路から自分の土地まで水を引くなどの目的で行います。また、電力会社が高圧線の下にある土地に地役権を設定し、一定以上の高さの建物の建築を制限するケースも多く見られます。このほか最近は、眺望や日照の確保のために地役権を設定するケースもあります。

地役権の契約は、要役地と承役地の所有者の合意によって行われます。地役権の設定後は、その土地(要役地)の売却などで所有権が移転する場合、地役権も合わせて移転します。また、例えば、他人の土地を通行する地役権だけを売買するなど、要役地と切り離して地役権を処分することはできません。

引用元:SUUMO(スーモ)住宅用語大辞典

筆者は住宅用地で「地上権」が設定されているケースは経験しておりませんが、「地役権」が設定されている物件は、数回取引をさせていただいた事があります。

筆者の経験では、

  • 土地の上空に電線があり、電力会社の地役権設定
  • 土地の地下に新幹線が走っており、JRの地役権設定
  • 隣地の方が、通行を目的とする通行地役権
  • 約20区画の分譲地で、1区画の土地の下に他の区画の下水が流れている地役権

4パターンの取引経験があります。

地役権が設定されている不動産は、そうでない不動産と比べると、少し敬遠されるお客様もおられるので、売却査定の際は、個々の状況にもよりますが、地役権設定要因をマイナスにして査定をします。

ご購入をされるお客様は、検討している不動産が「地役権」が設定されているのであれば、のちのトラブルを防ぐために、必ず不動産会社に詳細な情報を聞きましょう

共同担保目録

共同担保目録は、先にも説明しましたが、一つの債権(ローンなど)の担保として、複数の不動産に対して設定された抵当権を一括して記載した登記事項です。

例えば一戸建てで、土地・建物・私道負担部分で一つの物件であれば、住宅ローンを組む際に土地・建物・私道負担部分に対してセットで抵当権設定をします。

その後、土地の登記簿謄本を取得すると、共同担保目録の欄に建物・私道負担部分が記載されているという事です。

まとめ

以上いかがでしたでしょうか?

初心者の方が、土地の登記簿謄本でチェックしていただきたい最低限のポイントをご紹介させていただきました。

不動産登記簿謄本は、1件数百円で取得できます。

取得方法は、

  • 最寄りの法務局へ行って交付申請
  • インターネットで交付申請
  • 郵送での交付申請

対象不動産の「地番」が不明な場合は、対象不動産管轄地の法務局に電話で問い合わせをすると教えてくれますので、ご自身がお住まいされている不動産や、気になる不動産がありましたら、不動産登記簿謄本を取得してみてください。

今回は「土地」の不動産登記簿謄本をご説明させていただきましたが、またの機会に「建物」「分譲マンション」などの「不動産登記簿謄本」もご説明させていただこうと思います。

参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

◆不動産営業マンと対等に渡り合える知識を発信中 
◆40代現役不動産仲介営業マン≪賃貸仲介3年→売買仲介15年→売買仲介継続中≫
◆保有資格≪宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士≫
◆2児のパパ

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