みなさんこんばんは。
『やっちん』(@yacchin_0310)です。
みなさん「建物状況調査(インスペクション)」ってご存じですか?
平成30年(2018年)4月より、宅建業法が改正され、宅建業者に対し、既存住宅の取引において下記の項目が課せられました。
- 媒介契約締結時の既存住宅状況調査技術者の「あっせん」の有無
- 重要事項説明時の建物状況調査の実施の有無
- その結果の概要、建物の建築・維持保全の状況に関する書類の保存状況について説明
中古住宅を対象に、国土交通省の定める講習を修了した建築士が、建物の構造耐力上主要な部分及び雨漏れを防止する部分の劣化や不具合などを把握するための調査を宅建業者が「あっせん」したかどうか。
また、建物状況調査を実施したのであれば、その内容について購入者に対して説明する等、平成30年(2018年)の宅建業法が改正されたことにより宅建業者として説明しないといけない項目となります。
- 中古物件を購入しようとしているけど、床下や屋根裏など目視で確認できないところがあり、不安
- 売却した後に、購入者からクレームが来ないだろうか?
- 雨漏りが発生したときに保険金が下りるように、保険に加入したい。
- 売却する際に他の物件と差別化して有利に売却したい。
それでは、「建物状況調査(インスペクション)」についてご説明させていただきます。
「建物状況調査」についての説明
建物状況調査とは?
国土交通省の定める講習を修了した建築士が、建物の基礎・外壁など構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の状況を把握するための調査です。
引用:国土交通省パンフレットより
少し古いデータにはなりますが、日本国内での「新築住宅着工数」が約89万戸に対して、「中古住宅流通戸数」が約50万戸であり、全体の住宅供給戸数のうち中古住宅が占める割合が約36%となります。
この数値は世界的にみてもかなり低い水準で、先進各国の中古住宅流通シェアを調べてみると、フランスで約66%・アメリカで約77%・イギリスで約88%です。
同じ先進国の中でも、日本だけ「中古住宅事情」は異なり、いわゆる「中古住宅後進国」です・・・
この中古住宅流通市場を改善して、日本全国的に増加している空家も含めた既存ストックの有効活用を図る目的から、購入される方が物件の状態を把握できるようになるため、国土交通省が「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を公表しました。
主な調査方法の基準
・構造耐力上主要な部分の調査
・雨水の侵入を防止する部分の調査
・耐震性に関する書類の確認
・目視を中心としつつ、一般計測器を使用した計測や触診・打診等による確認
調査した者は、既存住宅状況調査の結果の概要を作成し、依頼者に交付します。
既存住宅状況調査には下記の内容記載されています。
①耐震性に関する書類の確認結果を含む既存住宅状況調査の結果の概要
②調査結果の裏付けとなる写真
③劣化事象等の確認結果を記載したチェックシートなど
※注 但し、下記の内容は既存住宅状況調査の対象ではありません。
①劣化事象が構造的な欠陥によるものかどうか。瑕疵の有無を判定する事
②耐震性能や省エネ性能等の建物の性能を判定する事
③現行建築基準関係規定への違反の有無を判定する事
④設計図書との照合を行う事
日本の住宅は「木造住宅」が多く、「いつか朽ち果てるから、適宜建て替えるもの」という意識が強いのに対して、欧米のような「石造文化」は、「永続的に残るものだから、改良して使い続けていくもの」と考える人が多いようです。
イギリスでは築年数の古いものほど価値が高くなり、日本とは全く逆の現象が起こっています。
日本でも少しづつですが、建築技術が進化し、また鉄筋コンクリート造等の分譲マンションも多く建築され、中古住宅の流通が多くなってきております。
さらに既存ストックの流通を活性化する方法として、「建物状況調査(インスペクション)」は買主様の不安を少しでも取り除くことができ、流通の活性化が期待できる方法の一つです。
【既存住宅売買瑕疵保険】に加入できる
建築士による建物状況調査を行い、指摘事項がなければ「既存住宅売買瑕疵保険」に加入する事ができます。
- どんなところが保険の対象になるの?
-
保険の対象となる部分は、住宅の中でも特に重要な部分である
・柱、基礎などの構造耐力上主要な部分
・外壁、屋根などの雨水の侵入を防止する部分※別途特約を付帯することにより、給排水管路等を保険の対象に追加する事ができます。
- 保険期間は何年?
-
引渡し日から1年または5年
- どんなことに保険金が支払われるの?
-
瑕疵を補修する為にかかった費用以外にも、補修工事中の仮住まいの費用などを一定の範囲でお支払い
- 保険金は最大幾らまで支払われるの?
-
500万円または1000万円になります。
※保険期間5年の場合の保険金額は1000万円のみです。
※出典:株式会社住宅あんしん保証より
建物状況調査を行うことにより得られる、購入者のメリット
購入者のメリットは、先にもご説明させていただいた通り、建物状況調査にて特段の指摘事項が無ければ「既存住宅売買瑕疵保険」を付帯することが可能です。
構造耐力上主要な構造部の保証や雨漏りが発生した時の保険金が支払われるので、中古住宅を検討される方にとって少しでも不安を取り除けるのがメリットです。
その他にも、「既存住宅売買瑕疵保険」に加入することによって、本来「住宅ローン控除」が使えない中古住宅(※)でも「住宅ローン控除」が使えるようになります。
建物状況調査で指摘事項があれば、指摘箇所を補修・修繕を行い、再度調査のうえ「既存住宅売買瑕疵保険」に加入することができます。
建物状況調査を行うことにより得られる、売主様のメリット
売主様のメリットは、まだまだ建物状況調査を行っている物件は少なく、他の物件との差別化ができ、競合物件よりも早く良い条件で成約に至る可能性が少しでも高くなります。
しかし、建物状況調査のご説明をさせていただくと、
「もし不具合が見つかり、家が売れなくなるのではないか?」
と心配される売主様もおられます。
売主様のお気持ちもわかりますが、もし購入者から「雨漏りがあった!」等クレームを言われる可能性がありますし、本当は不具合があって、知ってて隠したのではないかと疑われるかもしれません。
一般的に売買契約書では、雨漏りなどの契約不適合責任(瑕疵担保責任)は引き渡しから3か月間、売主様が保証をしてあげないといけない取決めになりますが、購入者からすると3か月を超えても雨漏り等が発生すれば、売主様が疑われることになり、最悪の場合、訴訟まで発展するケースもあります。
事前に建物状況調査を行っていれば、不具合箇所があったとしても、購入者は納得したうえで購入する事ができ、リフォーム費用やメンテナンス費用が明確になるため、購入の意思決定に効果があります。
不動産は高額の取引となるため、不具合があるかどうか明確でない物件よりも、隅々までチェックされ、明確になっている物件のほうが購入者は安心されます。
まとめ
以上いかがでしたでしょうか?
建物状況調査を行うことにより、買主様・売主様それぞれにメリットがあります。
不動産仲介会社も、買主様・売主様の間に立つ立場として、家の不具合によるトラブルを未然に防ぐことができ、他の物件と差別化できることにより、早期に成約に至る可能性が高くなるため、不動産仲介会社もメリットあります。
筆者の勤めている会社では、売主様に媒介受託させていただくサービスとして、無料で建物状況調査を行います。
各不動産仲介会社は建物状況調査に関しての取次を行っておりますので、売却される方・購入される方は、依頼する不動産仲介会社に「建物状況調査(インスペクション)」に関し尋ねてみましょう。
安心・安全な中古住宅の取引ができるようになれば幸いです。
参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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