みなさんこんばんは。
『やっちん』(@yacchin_0310)です。
今回は、「不動産売却のはじめの1歩」という事で、不動産売却にかかる諸経費についてご説明しようと思います。
不動産売却の相談を受けたときに、売却にかかる諸経費について意外とご存じでない方がおられ、諸経費についてご説明させていただきますと、
「売ったお金がそのまま入って来ると思った・・・」
と、仰られるお客様がおられます。
場合によっては、折角売れたのに思ったよりも手元に残らなくて、その後の資金繰りに困ったというケースもあります。
今回の記事で、不動産売却にかかる諸経費についてご理解いただき、手元にいくらぐらい残るか正確に把握しましょう。
不動産売却の際にどんな費用が必要なのか
まず大まかな説明ではございますが、不動産売却の際に発生する諸経費項目は全部で6つございます。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 抵当権抹消費用
- 住宅ローン返済手数料
- 譲渡所得税
- その他費用(土地測量費・建物解体費用、リフォーム費用)
マンション、土地、戸建の違いや、「利益が出る・出ない」「住宅ローンがまだ残っている・完済済み」などの違いにより、該当する項目が変わりますが、上記の項目がございます。
1.仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社に不動産を売却してもらった時に支払う手数料となります。
不動産会社は、成約に向けてチラシやインターネットなどの広告活動を行い、無事に成約に至ると売主は成功報酬として不動産会社に支払います。
成功報酬なので、万が一売れなかったときは、仲介手数料は払わなくてOKです。
- チラシやインターネット掲載などの広告費
- 人件費
- 事務手続き費(契約書類などの作成)
これらすべて仲介手数料の中に含まれています。
あくまでも成約に至ったときの成功報酬ですので、売れなくて売却を中断したり、他の不動産会社に売却活動を任せるような事になっても支払う必要はありません。
仲介手数料の金額は?
広告宣伝費にお金をかけすぎたら仲介手数料は高くなるの?
いえ。仲介手数料は、法律で上限額が決められています。
仲介手数料は物件の価格によって違いがありますので、下記表でまとめてみました。
物件価格400万円超 | 物件価格の3%+6万円 |
物件価格200万円超400万円以下 | 物件価格の4%+2万円 |
物件価格200万円以下 | 物件価格の5% |
5000万円の物件が売れたときの仲介手数料は、
5000万円×3%+6万円+消費税(10%)=171万6,000円
となります。
仲介手数料については、過去記事もありますので、ご参考ください。
2.印紙税
不動産売買契約書に貼る印紙の事です。
印紙代は物件価格によって金額が変わりますので、下記表にまとめてみました。
売買金額 | 軽減税率 | 本則税率 |
---|---|---|
10万円超え50万円以下 | 200円 | 400円 |
50万円超え100万円以下 | 500円 | 1000円 |
100万円超え500万円以下 | 1000円 | 2000円 |
500万円超え1千万円以下 | 5000円 | 1万円 |
1千万円超え5千万円以下 | 1万円 | 2万円 |
5千万円超え1億円以下 | 3万円 | 6万円 |
1億円超え5億円以下 | 6万円 | 10万円 |
印紙を不動産売買契約書に貼付し、割印をする事で国や行政に税金を納めたことになります。
不動産取引の電子契約では?
2022年5月に「宅地建物取引業法施行令及び高齢者の居住の安定確保に関する法律施行令の一部を改正する政令」などが施行され、不動産売買取引に必要な契約書などの電子化が可能となりました。
不動産売買契約書の電子化の場合、印紙税が非課税となるため費用を節約できます。
しかし、まだ新しい取引形態ですので対応している不動産会社が少なく、まだまだペーパーでの契約書類で手続きする不動産会社が殆どです。※2022年10月現在
電子契約であれば印紙代を削減できますので、念のために不動産会社に確認しましょう。
抵当権抹消費用
住宅ローンが残っている不動産を売却するときに発生する費用です。
金融機関から融資を受ける際に不動産を担保に設定された抵当権を不動産登記記録から抹消する事。
住宅ローン完済時に行う手続きで、一般的には不動産売却の際には司法書士に依頼し、不動産を売却せずに先に住宅ローンを自己資金などで完済すれば自身で手続きする事も可能。
費用は、手続きを司法書士に依頼する場合、1万円前後から数万円と対象となる不動産により異なります。
住宅ローン返済手数料
住宅ローンを一括で返済する場合、銀行に対し事務手数料を支払う必要があります。
大手メガバンクのホームページで確認をしますと、インターネットの手続きや窓口での手続きなどの方法により手数料が変わりますが、約2万円~3万円の事務手数料が発生します。
譲渡所得税
不動産を購入した価格と売却した時の価格を比べて、売却した時の価格が高ければその差額に対して税金がかかります。
要は、購入した価格より高く売却できれば儲けが発生するので、その儲けに対し税金がかけられるという事です。
裏を返すと儲けが出なかった場合には税金はかかりませんし、確定申告も必要ありません。
もう少し掘り下げて解説させていただきます。
まずはコチラ国税庁のホームページの記載されている内容ですが、
〇課税譲渡所得金額の計算方法
譲渡価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除(一定の場合)=課税譲渡所得金額
取得費 | 売った土地や建物を買い入れたときの購入代金(建物は減価償却費相当を控除します。)や仲介手数料などの合計です。 実際の取得費の金額が譲渡価額の5%に満たない場合は、譲渡価額の5%相当額を取得費として計算する事ができます。 |
譲渡費用 | ①仲介手数料、②測量費など土地や建物を売るために直接要した費用、③貸家の売却に際して支払った立退料、④建物を取り壊して土地を売ったときの取り壊し費用などです。 |
特別控除額 | 収用などのとき:最高5,000万円 自分の住んでいる家屋と土地を売ったとき:最高3,000万円 |
課税譲渡所得金額に対して、下記税率がかけらます。
区分 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
長期譲渡所得 (譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える) | 15% | 5% |
短期譲渡所得 (譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下) | 30% | 9% |
課税長期譲渡所得金額の計算 課税譲渡所得金額が500万円の場合
イ 所得税 500万円×15%=750,000円
ロ 復興特別所得税 750,000円×2.1%=15,750円
ハ 住民税 500万円×5%=250,000円
イ+ロ+ハ=1,015,750円
課税短期譲渡所得金額の計算 課税譲渡所得金額が500万円の場合
イ 所得税 500万円×30%=150万円
ロ 復興特別所得税 150万円×2.1%=31,500円
ハ 住民税 500万円×9%=45万円
イ+ロ+ハ=1,981,500円
結構税金が高い・・・
居住用財産で、利益が3000万円までなら「3000万円特別控除」の特別控除が利用できますので、利用要件を把握し有効に活用しましょう。
※より詳しい税金については、最寄りの税務署や税理士にご相談ください。
その他費用
必ず必要な場合と必要ない場合がありますが、費用をかける事によって不動産が売却しやすくなったり、取引条件で費用を掛けないといけない項目があるなど、不動産の種別や取引条件によって様々な費用があります。
ハウスクリーニング費
室内で煙草を吸っておられた家や、室内でペットを飼ってらっしゃた方はハウスクリーニングを行っていただいたほうが少しでも売却しやすくなります。
購入検討者様に対し、第一印象をよくするためにも室内の汚れや匂いは無いに越したことはありません。
費用は室内の平米数にもよりますが、約10万円前後は必要となります。
あまりにもひどい傷み具合ですと、クロス張替えなどの最低限のリフォームを実施したほうが良い場合もあります。
測量費用
戸建や土地を売却する際に、土地の面積を測ったり、境界鋲の有無を確認したりする費用になります。
仮測量や確定測量など様々な測量方法がありますが、1つでも境界鋲が無い土地ですと、最低限「境界鋲の設置」が必要となります。
※買主様の合意があれば、不動産売買契約書特約などで「境界鋲の設置を省略」とする場合もあります。
境界鋲の設置のみであれば、約15万円前後の費用が掛かります。
建物解体費用
古い建物があり、建物を解体して売却するほうが売れやすい時には、建物解体費用が掛かります。
建物の構造で、木造<<鉄骨<<鉄筋コンクリートなどのように、より堅牢な建物ほど解体費用も高くなります。
木造 | 坪4~5万円 |
鉄骨造 | 坪6~7万円 |
鉄筋コンクリート | 坪8~9万円 |
上記坪単価は、一般的な相場の価格ですが、
- 土地の間口や周辺道路が狭く重機が入らない
- 土地に高低差がある
- 人通りが多い場所で、ガードマンが必要
- アスベストがあり産業廃棄物処理が必要
などの条件であれば、解体費用はさらに高くなります。
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まとめ
以上いかがでしたでしょうか?
不動産を売却したお金は全て手元に入って来るわけではございません。
不動産を買い替える際には、必ず不動産売却にかかる諸経費を把握し、無理のない資金計画を考える必要があります。
不明な点があれば不動産会社担当者に質問し、全て理解したうえで不動産販売活動を行いましょう。
参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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