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契約は水に流れるし、徒歩10分は10分じゃない。不動産業界のクセ強雑学8選。

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こんにちは、やっちんです。

不動産業界というのは、なかなか不思議な世界だ。

何千万円、時には何億円という物件を取り扱う一方で、「水曜日は縁起が悪い」なんて話がまことしやかに語り継がれている。

令和の時代に何を言うてるんだ。

ほかにも、駅徒歩1分は80mと決められていたり、同じ6畳なのに部屋の広さが違ったり、マンションの階数にまで大人の事情があったりする。

不動産の仕事をしていると当たり前になってしまうことも、改めて考えるとツッコミどころが満載だ。

ということで今回は、不動産業界にまつわる雑学を8つほど紹介したい。

知って得するものから、知ったところで明日の生活が何も変わらないものまで。

まあ、雑学なんてそんなもんである。

目次

1. 不動産屋が水曜日に消える理由。契約を水に流すな。

街の不動産屋に行こうと思ったら、シャッターが閉まっていた。

水曜日である。

不動産屋の定休日といえば水曜日。もはや業界の伝統芸能といっても過言ではない。

では、なぜ水曜日なのか。

実は、縁起を担いでいるという説がある。

水曜日の「水」は「流れる」を連想させる。つまり、大事な契約が水に流れてしまうというわけだ。

いや、そんな簡単に流れる契約なら、最初から結ばん方がええ。

とはいえ、不動産業界は昔から縁起を気にする文化がある。水曜日を避けるという考え方が広まったとしても不思議ではない。

ただし、これはあくまでも由来の一説。

現実的には、不動産屋の仕事のサイクルが大きく関係している。

土日はお客様の来店や物件の案内が集中する。月曜日と火曜日は契約準備や事務作業に追われる。

そして水曜日。

ようやく休める。

そう、別に契約が流れるのを恐れているだけではない。単純に休みたいのだ。

最近では火曜日と水曜日の連休を採用する会社も多い。

ちなみに、不動産屋が水曜日に休んでいる間も、不動産ポータルサイトは24時間営業中。

便利な時代になったもんだ。

2. 駅徒歩1分は80m。信号待ち?そんなものは知らん。

不動産広告に必ずといっていいほど登場する「駅徒歩○分」という表記。

駅徒歩3分。

駅徒歩5分。

駅徒歩10分。

駅から近い物件ほど人気があるのは、今も昔も変わらない。

この徒歩時間、実は不動産広告のルールで80mにつき1分と決められている。

駅から道路に沿って800mなら徒歩10分。400mなら徒歩5分。

端数は切り上げなので、410mなら徒歩6分になる。

5分じゃない。6分だ。

そして、ここからが本題。

この徒歩時間、信号待ちや踏切の待ち時間は含まれていない。

坂道や階段で余分にかかる時間も考慮されない。

つまり、駅徒歩10分の物件まで実際に歩いたら15分かかった、なんてことも十分あり得る。

そもそも誰が1分80mなんて決めたのか。

これには、ハイヒールを履いた女性がモデルになったという有名な話がある。

昭和38年、公正取引委員会の女性職員が廊下を歩き、その速度が基準になったというものだ。

なんとも個性的な決め方である。

ただし、このエピソードの真偽を裏付ける確かな資料は確認できていない。都市伝説のようなものとして楽しんでいただきたい。

ちなみに、不動産広告の徒歩時間は直線距離ではなく、道路に沿って測った距離で計算する。

だから、地図で見ると近いのに、実際には大きく回り込まないとたどり着けない物件もある。

特に毎日の通勤や通学で駅を利用する人は、実際に歩いて確認することをおすすめする。

できれば朝の通勤時間帯に。

広告の徒歩10分を信じすぎて、毎朝駅まで全力疾走する生活は避けたいところだ。

3. 「畳」と「帖」。読み方は同じでも、ちょっと事情が違う。

間取り図には、こんな表記が並んでいる。

和室6畳。

洋室6帖。

どちらも読み方は「じょう」。

では、なぜわざわざ違う漢字を使うのか。

一般的には、畳が敷かれた和室には「畳」、フローリングの洋室には「帖」が使われることが多い。

もともと日本の住宅は和室が中心だったため、「畳」という表記が一般的だった。

しかし、時代が進み、洋室が増えてきた。

フローリングなのに畳。

なんとなく違和感がある。

そこで「帖」という表記も広まったといわれている。

もっとも、厳密に使い分けなければならないという決まりはないので、洋室6畳という表記も普通に存在する。

そして、実はもっと重要な話がある。

不動産広告では、部屋の広さを畳数で表す場合、1畳あたり1.62㎡以上として計算しなければならない。

つまり、広告上の6畳なら9.72㎡以上ということになる。

ここまではいい。

ところが、実際に畳が6枚敷かれている部屋が、必ずしも9.72㎡以上あるとは限らない。

何を言っているのか分からなくなってきた。

要するに、広告上の「6畳」と、実物の畳6枚分の広さは、必ずしも一致しないということ。

その理由は、次の話につながる。

4. 6畳は全国共通ではない。畳界のサイズ格差がすごい。

畳は全部同じサイズ。

そう思っている方も多いのではないだろうか。

残念ながら違う。

畳には、代表的なものだけでも京間・中京間・江戸間・団地間という4つの種類がある。

しかも、それぞれサイズが違う。

なんで統一せえへんねん。

主なサイズを見てみよう。

  • 京間:191cm × 95.5cm
  • 中京間:182cm × 91cm
  • 江戸間:176cm × 88cm
  • 団地間:170cm × 85cm

いずれも一般的な目安だが、並べてみると結構な違いがある。

例えば京間の畳を6枚並べた場合、広さは約10.9㎡。

一方、団地間を6枚並べると約8.7㎡。

その差、約2.2㎡。

同じ6枚なのに、なかなかの格差社会である。

なぜこんな違いが生まれたのかというと、昔の建築方法が関係している。

関西では畳のサイズを基準に建物を造る「畳割り」という考え方が広まり、関東では柱の間隔を基準に造る「柱割り」が普及した。

つまり、畳に合わせて家を建てるか、家に合わせて畳を作るか。

卵が先か、ニワトリが先か。

いや、ちょっと違うか。

そして、最もコンパクトな団地間は、戦後の住宅不足を背景に集合住宅が大量建設された時代に広まった。

限られたスペースを効率的に使うため、小さめの畳が採用されたというわけだ。

ちなみに、これらは実物の畳の寸法の話であり、現在の不動産広告上の面積基準とは別物。

中古住宅を内覧するときは、「6畳」という数字だけで判断しない方がいい。

特に大きなベッドやソファを置く予定があるなら、メジャーを持って現地へGOだ。

家具が入らないと分かったときの絶望感は、なかなかのものである。

5. 「束の間」「いの一番」。実は建築業界からやってきた言葉たち。

日常会話で使っている日本語。

その中には、建築や大工仕事が由来とされる言葉が結構ある。

例えば「束の間」。

「束の間の休息」なんて、よく耳にする言葉だ。

この「束(つか)」は、もともと握りこぶしほどの短い長さを表す言葉で、建築では床下などを支える短い柱を「束柱」と呼ぶ。

短い長さが、いつしか短い時間を表す言葉になったという説がある。

次に「いの一番」。

何よりも先に、真っ先に、という意味で使われるこの言葉。

昔の建築現場では、柱の位置を「い・ろ・は」と「一・二・三」などを組み合わせた番付で表していた。

その最初の位置が「いの一番」。

そこから、真っ先に何かをするという意味が生まれたといわれている。

さらに「大黒柱」。

もともとは建物を支える重要な柱だが、今では一家や組織の中心人物を表す言葉としておなじみだ。

会社にもいるだろう。

その人が休むと、途端に仕事が回らなくなる人。

まさに大黒柱。

ただし、本当にその人がいなくなったら崩壊する組織は、別の意味で問題がある。

ほかにも「こけら落とし」という言葉がある。

新しい劇場で初めて行われる公演のことだ。

この「こけら」は、木材を加工したときに出る木片や木くずのこと。

建物の完成時に残った木くずを払い落とすことが由来という説がある。

普段使っている言葉が、実は建築と深く関わっている。

なかなか面白い。

明日から「いの一番に出社します」と言うたびに、頭の中で柱が一本立ちそうだ。

6. 14階建てマンションが多い理由。そこには大人の事情がある。

街を歩いていると、14階建てや15階建てのマンションをよく見かける。

なぜこの階数が多いのだろう。

別に13階でも16階でもいいじゃないか。

と思うかもしれないが、実はそこには建築コストとのバランスが関係している。

マンションは、高く建てれば建てるほど、構造や防災設備などに求められる条件が増えていく。

建物の高さ31m、60mといったラインでは、関係する法令上の取り扱いも変わってくる。

高さ45m程度も、マンションの設計上よく意識される目安のひとつだ。

ただし、45mを超えた瞬間に、すべての規制が一律に変わるわけではないので、そこは誤解なきよう。

開発事業者としては、可能な限りたくさんの住戸を確保したい。

しかし、高く建てすぎるとコストも増える。

たくさん建てたい。

でも、お金はかけすぎたくない。

分かりやすい葛藤である。

そこで、高さと住戸数、設備や建築コストのバランスを考えた結果、14階建てや15階建てが選ばれることがある。

では、14階と15階では何が違うのか。

仮に、建物全体の高さを45mとする。

14階建てなら、単純計算で1階あたり約3.21m。

15階建てなら3.0m。

14階建ての方が、1階あたりの高さに余裕を持たせられる計算になる。

ただし、実際の天井高は床や天井裏の構造などにも左右されるため、これだけで室内の快適さが決まるわけではない。

一方、15階建てにすれば、その分だけ販売住戸を増やせる可能性がある。

つまり、住み心地と事業採算のせめぎ合い。

買う側にはなかなか見えてこない、大人の事情である。

もちろん、実際の階数は容積率や高さ制限、敷地の形状などによっても変わる。

14階建てが正解で、15階建てが不正解という話ではない。

でも、マンションの階数にも理由があると思うと、ちょっと見る目が変わってくる。

僕の場合、マンションを見かけると、階数だけでなく外観やバルコニーの形状まで気になってしまう。

もはや職業病である。

7. バルコニーとベランダ。おしゃれな名前に騙されるな。

「バルコニー」と「ベランダ」。

この違いをご存じだろうか。

バルコニーと聞くと、なんとなくおしゃれなイメージがある。

休日の朝、バルコニーでコーヒーを片手に読書。

一方、ベランダと聞くと洗濯物を干しているイメージが強い。

休日の朝、ベランダでパンツを干す。

同じ屋外スペースなのに、この扱いの差は何だ。

実は、一般的には屋根の有無で区別されている。

屋根がないものをバルコニー。

屋根や庇があるものをベランダ。

というのが、よく知られている違いだ。

しかし、ここでひとつ問題がある。

マンションのバルコニーには、普通に上階の床がある。

つまり、屋根のようなものがあるのに「バルコニー」と呼ばれているわけだ。

ややこしい。

実は建築基準法で、この2つが明確に定義されているわけではない。

そのため、不動産広告でも呼び方が厳密に統一されているとは限らない。

さらに、マンションのバルコニーは共用部分であることが一般的だ。

住人には専用使用権が与えられていることが多いが、好き勝手に改造していいわけではない。

例えば、大きな物置を設置したり、避難経路を塞ぐように荷物を置いたりすることは、管理規約などで制限されている場合がある。

自分の部屋につながっているのに、自分のものではない。

これまたマンションの不思議なところだ。

なお、ルーフバルコニーや専用庭についても、同じように利用上の制限が設けられていることが多い。

バルコニーで優雅にコーヒーを楽しむのはいい。

ただし、隣との避難隔て板を塞いでまで観葉植物を並べるのはやめておこう。

優雅さより安全が大事である。

8. 家の前の邪魔な電柱。実は動かせるかもしれない。

最後は、土地を購入するときに知っておきたい話。

電柱である。

土地探しをしていると、たまに絶妙な位置に電柱が立っていることがある。

ちょうど駐車場の出入口になりそうな場所。

ここさえ空いていれば、車をスムーズに出し入れできるのに。

なぜ、よりによってそこなのか。

電柱に悪気はない。

それは分かっている。

でも、邪魔なものは邪魔である。

そんな電柱、実は移設できる場合がある。

電力会社や通信会社など、電柱を管理している事業者に相談すれば、移設を検討してもらえる可能性があるのだ。

これは土地を購入するときに、ぜひ覚えておきたい。

ただし、話はそう簡単ではない。

電柱は電線でほかの電柱とつながっている。

移設先のスペースや道路の状況、電線の配置など、さまざまな条件をクリアしなければならない。

「邪魔だから、あっちに動かして」

という一言で済む話ではないのだ。

そして、気になるのが費用。

移設を希望する側が負担する場合もあれば、工事の理由や条件によって事業者側の負担となる場合もある。

つまり、無料で移設できるケースもあるということ。

これは少し希望が見えてきた。

ただし、工事内容によって費用は大きく変わるため、一概にいくらとは言えない。

まずは電柱に取り付けられた番号札などを確認し、管理事業者に相談してみよう。

土地の購入前であれば、移設の可否だけでなく、費用負担や工事時期についても確認しておきたい。

購入してから移設できないことが判明したら、なかなか笑えない。

もっとも、最初から電柱があることを理由に希望の土地を諦めてしまうのも、少しもったいない。

動かせるものなら動かせばいい。

ただし、動かせるかどうかは電柱次第。

最後は電柱に人生を左右される。

不動産とは、そういう世界である。

おわりに。不動産の世界は、知れば知るほどクセが強い。

今回は、不動産にまつわる雑学を8つ紹介してみた。

水曜日に休む理由から、徒歩時間の計算方法、畳のサイズ、マンションの階数、そして電柱の移設まで。

こうして並べてみると、なかなかクセの強い業界である。

そもそも、不動産というのは一つとして同じものがない。

立地も違えば、土地の形も違う。建物の構造も、売主さんの事情も違う。

だからこそ、覚えることが山ほどある。

そして、何年この仕事をしていても、新しく知ることがある。

不動産業界、奥が深い。

ちなみに今回の雑学には、法律や広告上のルールだけでなく、昔から伝わる説や一般的な傾向も含まれている。

雑学として楽しむのは大いに結構。

ただし、実際に不動産を購入するときは、雑学だけで判断せず、物件ごとの条件をきちんと確認していただきたい。

特に徒歩時間、部屋の広さ、電柱の位置などは、住み始めてからの生活にも関わってくる。

何千万円もする買い物なのだから、慎重になりすぎるくらいでちょうどいい。

まあ、そんなことを言いながら、不動産屋自身が勢いで物を買ってしまうこともあるのだが。

それはまた別の話。

以上、やっちんでした。

それでは、また!

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この記事を書いた人

◆不動産営業マンと対等に渡り合える知識を発信中 
◆40代現役不動産仲介営業マン≪賃貸仲介3年→売買仲介15年→売買仲介継続中≫
◆保有資格≪宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士≫
◆2児のパパ

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